鍋の蓋が開かない時は、まず落ち着いて、それから再度温めてみましょう。
なぜなら、調理後に蓋をしたままで冷やされた状態の鍋の中は真空になっていて、それを解決するには再度温めることが効果的だからです。
それでも開かない時は、蓋だけ冷やしてみたり、取っ手を外してみてください。
鍋と蓋のかみ合わせが悪いのなら、ハンマーなどで取っ手の部分を軽く叩く方法もいいです。
せっかく調理したのにすぐ食べられないなんてがっかりですし、力づくで開けた後の無惨な鍋を見たくないですよね。
それでは、ここからは鍋の蓋が開かない理由や蓋の開け方などについて説明していきます。
真空状態の蓋の開け方はコレ
真空状態になってしまった蓋の開け方の基本は、「再度温めること」です。
そもそもどうして鍋と蓋の間が真空状態になってしまうかというと、調理することで鍋の中が加熱され空気は水蒸気になり体積が増えます。
調理後に蓋をしたままにしておくと、今後は鍋の中の空気が冷えていくことで先程とは逆の現象が起こり、つまり空気の体積が減る=真空状態になるのです。
つまり、真空状態になってしまった蓋を開けるには、再度温めることが効果的なんです。
その際、2通りの方法があります。
鍋の中の水分が多い場合
鍋の中の水分が多い場合は、そのまま再度火にかけてみてください。
そして、蓋が動きそうになったらすかさず蓋を開けましょう。
パレットナイフなどを使って、蓋の隙間から挟めてみるのもいいでしょう。
鍋の中に水分がない場合
鍋の中に水分がない場合は、それを火にかけると鍋が焦げてしまうかもしれないのでオススメしません。
鍋より大きな入れ物にお湯を張って、その中に鍋ごと入れてみましょう。
もしくは、大きな鍋があればそれにお湯を沸かして、その中に入れてみましょう。
蓋が動き出したら、先程のようにパレットナイフなどを使って開けてしまいましょう。
温めても開かないときはどうする
鍋を温めても開かない時は、「鍋を温めて、蓋は冷やす」ことをしてみましょう。
鍋を火にかけて温めた後、蓋の上に氷や冷却剤などを置いて冷やしてみてください。
鍋は温まることで膨張し、蓋は冷えることで縮む=鍋と蓋に隙間ができるというわけです。
以前フランスの義母の家で食事した時に、鍋の蓋が開かない事態が発生しました。
その時、私は「鍋を温めたら?」と助言しましたが、義母は「いやいや、蓋を冷やすよ」と言っていました。
その時私はその理由がわからず、フランスではこういう方法なんだな、くらいに思っていましたが、今ならよくわかります。
義母の場合も、めでたく蓋は開きました。
その瞬間、家族一同で歓声を上げたのは言うまでもありません。
圧力鍋の蓋が開かないときの対処法
圧力鍋の蓋が開かない時の対処法は、次の4つの方法があります。
再度温める
加熱して調理した後で圧力鍋の蓋が開かなくなってしまったなら、まずはもう一度温めてみてください。
さっきも説明しましたが、ここでも2通りの場合があります。
圧力鍋の中に水分が多い場合
圧力鍋の中に水分が多い場合は、そのまま圧力鍋をコンロで温めましょう。
そうすると、鍋の中の水分が蒸気になって空気の体積が増えることで蓋が開くというわけです。
圧力鍋の中に水分がない場合
圧力鍋の中に水分がない場合は、それよりも大きい入れ物にお湯を張って、その中に鍋を入れて温めます。
もしくは、鍋と蓋の間に蒸しタオルなどで温める方法もあります。
取手を外す
圧力鍋の蓋はネジで固定されているので、そのネジをドライバーで緩めて取っ手を外してみましょう。
そうすることで、鍋と蓋のロックが外れて蓋が開く仕組みとなっているものがあります。
蓋が開いたら、ネジを元のようにしっかり締め直すことをお忘れなく。
ハンマーで蓋側の取っ手を叩く
圧力鍋と蓋のかみ合わせが悪くて開かなくなることがあります。
そんなときはこの方法は有効でしょう。
蓋側の取っ手の部分を、右方向(蓋が開く方向)にハンマーなどで軽く叩いてみてください。
そうすると、だんだん蓋の取っ手がずれていき、蓋が開くはずです。
取っ手を傷つけないように、取っ手をタオルなどでくるんでからするのもいいですね。
こんな動画もありました。
これを見ると、びっくりするくらい簡単に蓋が開いています。
ボールの空気入れを使う
圧力調整装置を外すことができるタイプなら、それを外して空気入れを差し込み、空気を入れてみてください。
空気を入れることで、鍋の中の空気の体積が増えるため、蓋を開けることができます。
圧力鍋って、気密性が高いのでやっぱり鍋の蓋が開かなくなりやすいです。
私も圧力鍋を使うときは、いつも少しドキドキします。
でも、こんな方法を知っておくだけで安心しますね。
鍋の蓋が取れない理由
鍋の蓋が取れない理由には、主に3つの原因があります。
鍋と蓋の間が真空になった場合
何度もお話していますが、鍋と蓋の間にある空気が加熱後に冷却されることで体積が減る=気圧が下がり、真空状態を作ります。
その場合の対処法の基本は、もう一度温めることです。
蓋の周りに調味料がこびりついてしまった場合
鍋と蓋が開かない時は、もしかして調味料がくっついてしまったことが原因かもしれません。
そんなときは、蓋のフチに少しずつお湯をかけて調味料を溶かしてしまいましょう。
鍋と蓋のかみ合わせが悪い場合
鍋と蓋のかみ合わせが悪くて蓋が開かなくなってしまった場合は、取っ手をハンマーでコンコンと叩いてみてください。
これは蓋がスライド式のものに多くみられます。
メーカーによっては、鍋と蓋にそれぞれ同じマークがついていて、それを合わせてから蓋をすることで予防できます。
真空になった蓋の開け方まとめ
鍋と蓋の間が真空状態になった場合の蓋の開け方をまとめました。
- 調理後の鍋であれば、まず再度温める。
- 鍋の中に水分が多い場合は、そのまま火にかける。
- 鍋の中に水分がない場合には、鍋よりも大きな入れ物にお湯を張ってその中に鍋ごと入れて温める。
- 鍋の中に水分が多い圧力鍋の場合、鍋と蓋の間に蒸しタオルを当ててみる。
- 取っ手がネジで固定されている圧力鍋なら、ネジを緩めて取っ手を外す。
- 圧力調整装置を外すことができる圧力鍋なら、それを外して空気入れで空気を入れてみる。
それ以外の考えられる理由と対処法は以下になります。
- 蓋の周りに調味料がこびりついて鍋と蓋がくっついた場合、蓋のフチにお湯をかけて溶かす。
- 鍋と蓋のかみ合わせが悪い場合、ハンマーなどで右方向に軽くコンコンと叩く。
調理をして、いざ食べようとしたときに鍋の蓋が開かなくて焦ることがないように、調理後は蓋を少し開けておくこともちょっとした工夫になるかもしれませんね。
私も、義母の一件を目の当たりにした後からは、鍋に蓋をするときは少し気を使うようになりました。
みなさんの大切な食事のひとときが、いつでもしあわせなものでありますように願っています。